庭のある暮らしその2(クマバチとエゴノキは運命共同体)

最近庭の木々がめっちゃ茂ってきました。
3月には全然生えていなかったのに、一気に来るんですよね。

で、木々が茂ってきて、5月になるとエゴノキの花が咲きます。花が咲くとやってくるんです。彼が。

そうです。クマバチ君です。

ミツバチ君はシャリンバイの花の蜜が好き。
けど、クマバチ君はうちのエゴノキの花の蜜が好きみたいです。
毎年エゴノキの花が咲くと、一回り大きな音がしだします。

ミツバチがブーンなら、クマバチはブゥーーーンって感じです。
音が大きくて、ちょっと低い。
庭を通って玄関に行くときにこの音するとビビるんですよね。またちょっと低めの音がいい感じにビビります。

やられる!みたいな。

けど、全然こっちには見向きもせずにエゴノキの花の蜜集めてるんですけどね。

クマバチの生態とエゴノキ

ちょっと調べてみた。

クマバチの名前の由来:
熊のような姿だから。

生態:
本州のクマバチ(キムネクマバチ)は、おおむね山桜類カスミザクラなどが咲き終わる晩春頃に出現し、街中でもフジやニセアカシアの花などに活発に訪花する。
食性は、他のハナバチ同様、花蜜・花粉食。初夏から秋にかけてさまざまな花を訪れるが、頑丈な頸と太い口吻を生かして花の根元に穴を開けて蜜だけを得る盗蜜もよく行う。
この頑丈な頸は、後述の穿孔営巣性※によって発達したものと考えられ、このハチの形態的特徴のひとつ。
クマバチに特に花粉媒介を委ねている花はクマバチ媒花と呼ばれ、トケイソウ科のパッションフルーツなどの熱帯果樹や、マメ科のフジやユクノキなどに見られる。
体が大きく羽音の印象が強烈であるため、獰猛な種類として扱われることが多いが、性質はきわめて温厚である。ひたすら花を求めて飛び回り、人間にはほとんど関心を示さない。
オスは比較的行動的であるが、針が無いため、刺すことはない。毒針を持つのはメスのみ。
(Wikipediaより抜粋)

※穿孔営巣性:太い枯れ枝や木造家屋の垂木などに細長い巣穴を掘ること

ここまで調べて、クマバチ媒花って何ざんしょ?となりますよね。

「クマバチだけが送粉してくれる」ことを目指して、さまざまな戦略をとっている花の事だそうです。

クマバチ媒花について調べた。

1:パワーを使うフジの花
フジの花の形は細長く複雑で、蜜腺は一番奥に隠れている。しかも花弁が堅く、体重が重く力の強いクマバチでないとそれをこじ開けることはできません。こじ開けて、奥に入り、蜜を吸っていると背中にたっぷり花粉が着く仕組みになっている。

2:振動を使うオルフィウム
ハナバチらのブーンという振動に反応して花粉を出す花がある。特にその中でも、クマバチの震動だけに特化した花がある。南アフリカに咲くオルフィウムは、おしべが螺旋状で、普段は花粉をその中に堅く隠し持っている。クマバチがやってきてそのおしべにとまり、お腹を付けて羽を畳み、ビーンという高い音を出し始めると、花粉がパッと飛び出してくる。反応するのは「ド」の音階(振動数)だけで、その音はクマバチにしか出せ無い。

3:視力を使って他家受粉を狙う高山植物
クマバチはそれほど視力がいいわけでは無い。けど色の判別はできる。そのためひと株で花はいつも多く咲いていることが必要。
ある種の高山植物は、
・受精しても花を閉じず、ひと株で花をいつも多く咲かせている
・蜜や花粉がある花は限られるが、それは色で判断できる
という戦略をとっている。よってクマバチが来てくれる。

うちのエゴノキは、クマバチ媒花で調べても出てこない。つまり、一般的にはエゴノキはクマバチ媒花にカテゴリされていない可能性が高い。しかし、めっちゃクマバチ来る。

私なりに考えをまとめると、上記3の戦略に近い。

・エゴノキは花を下向きに咲かせることで逆さまになって止まるのが苦手といわれるチョウやハナアブを遠ざけ、勤勉な(クマ)ハチに来てもらうようにしている。
・ひと株で花を多く咲かせることでそれほど視力の良くないクマバチが訪れやすい。

こうやって沢山花を咲かせて、クマバチ君に受粉してもらってるわけね。

自然に思いを馳せる

何でエゴノキにクマバチばかり来るのか不思議だったんですよね。
理由がわかりました。
クマバチ君に蜜を吸わせてあげる代わりに、受粉を手伝わせている。
で、彼は一生懸命花から花へと蜜と花粉を集めているんですよね。それで沢山の花が受粉できる。

後、音はうるさいけど、優しいいいやつだって再認識できたので良かった。

クマバチとエゴノキは運命共同体。