動的ストレッチとは。その目的

言葉の定義ってむつかしい。

前回静的ストレッチについて調べたので折角だから、動的ストレッチも調べておこうかなと。

そんな理由です。

動的ストレッチ、その他ストレッチ

前回ストレッチとは、そしてその目的については書いたので、いきなりここから。

動的ストレッチ:

静的ストレッチに対して動的ストレッチが有る。別名ダイナミックストレッチと呼ばれ、運動前に行うのに適している。運動前の静的ストレッチがパフォーマンスを下げるのに対し、怪我の予防、パフォーマンス向上に有効である。2000年に発表されたDr. Herbert Popeによる論文により議論が進んだ。反面、動作の定義が定まっていない。

バリスティックストレッチ:

反動をつけ弾むような動作で筋肉を伸ばす方法。いわゆる柔軟体操はこれにあたる。バリスティックストレッチでは伸張反射※がおきやすいため、フィットネスにおいては使われなくなってきている。一方、競技スポーツにおいては現在でもバリスティックストレッチが使われている。

※伸張反射
筋肉には筋紡錘と呼ばれるセンサーがあり、筋肉が瞬間的に引き伸ばされると筋紡錘から脊髄へ信号が送られる。すると脊髄から筋肉を収縮させる信号が出され、結果として筋肉が反射的に(つまり意思とは関係なく)収縮する。

参考文献wikipedia ストレッチ

動的ストレッチ、その効果

動的ストレッチは静的ストレッチに比べて新しい概念。よって、まだ、これ!とまだ固まっていない感じがある。しかし、研究論文があった。

目的:動的ストレッチの実施前後、実施 10 分後の股関節屈曲可動域と膝関節伸展筋力および筋活動の変化を比較検討すること
方法:動的ストレッチ実施前後と 10 分後に股関節屈曲可動域と膝関節伸展のピークトルクを計測。ピークトルクの計測と同期し、表面筋電図を計測
結果:股関節屈曲可動域と膝関節伸展のピークトルク、中間周波数は動的ストレッチ実施前より直後、10 分後に有意に高い値を示した

参考文献 ダイナミックストレッチング前後の関節可動域,最大筋力,表面筋電図の変化(2015年)

詳しくは直接参考文献を見ていただければと思いますが、上記で実施した動的ストレッチは立った状態から利き足膝を伸ばした状態で随意的に股関節を最大屈曲させ下肢を挙上させた後、元の立位に戻る反復動作を実施。なお、動作開始から開始肢位に戻るまでの時間は 1 秒間で実施回数は20回。

その他研究内容や効果もあると考えられるので、これはあくまで一例とお考えいただきたいが、動的ストレッチは可動域向上、パフォーマンス向上(ここでは対象部位のトルク向上)に寄与していると考えられる。

思ったこと

比較的新しい考えであること

動的ストレッチは2000年頃から提唱され始めた。そのせいか、これという決まった型がない。

特定の筋群を動かして伸ばす、ウォーキングや軽いランニングの動作の中で伸ばす動作を入れるなど。動的ストレッチングは,競技の中で使う動作に必要な柔軟性を高めることを目的としているため、世間一般に広がりにくい、また時間がかかったのだろう。

やっぱり、「目的が何か」に集中する

こういうの調べていると、やっぱり、言葉遊びのような気がしてきた。

ストレッチで何を達成したいのか。
どの部位をストレッチしたいのか。
柔軟性を向上したいのか。怪我の予防をしたいのか。疲労回復の一助としたいのか。リハビリのためか。
そもそもなぜストレッチする必要があると思うのか。
じゃあ、どうするかプランを立てる。
検証して、改善する。

てことだなと思いました。

もちろん、形の決まったものを模倣することは効率的で生産性が高い場合もある。けどそれはやり方が本当にやるべきこととあっている場合。

目的にあった型を見つける努力。これが大事ですね。