ハッカのおしぼりが気持ちを軽くする
家で仕事をしていたある夜の事
私はパソコンの画面を見ながら腕組みをしていた。
腕組みをしたまま、多分、ずっと動かなかった。
こんな時、自分ってどんな顔してるんだろう、眉をひそめて険しい顔をしているのか、まるで仏のように微笑を浮かべてそこに佇んでいたのか。
それを察知したのかどうか、動かない私に妻が話しかけてきた。
「はい、どうぞ。」
おしぼりを渡してくれた。
あまりにも動かない俺を見かねて気をつかってくれたのか?顔でも拭きなってことか?
私は喫茶店でおしぼりが出てきたら必ず顔を拭く。よっぽど気を使わないといけない相手でもいない限り。なのでおしぼりが出てくる喫茶店が大好きだ。
「ハッカ水のおしぼりだよ。」
つい先ほどまで腕組みしていた腕組みモードの私は、
「ふーん、ありがと。」
そっけない感じでおしぼりをもらって顔に当てた。
おっ、冷たい!
そしてハッカのさわやかな香りが鼻から頭の奥のほうにつき抜ける感じ。なんか急に、森のさわやかな高原で深呼吸しているかのような、そんな感じ。
そして先ほどまで画面とにらめっこで動かない私だったのが、今度はハッカのタオルを顔に当てたまま動かない私に変身。
なんて言うんでしょう、
「うわぁ、森の宝石箱や~」
違う違う、彦摩呂じゃない。
まるで、都会というジャングルの中でぎりぎりの戦いをしていた戦士が、ふとオアシスを見つけたかのような(言い過ぎ。うち都会じゃないし)。
そんな気持ちよさ、リラックス感。
リフレッシュとは
「前から気になってたんだよね。ハッカ油。だから試してみようと思って。」
ふーん、、、使ってみたかったと言いながら、俺が画面見ながら固まって、頭もカッチカチのリフレッシュプリーズ!なタイミングでおしぼり出てきたぞ。
ホントは疲れてる夫を気遣って出してきたんでしょ。
だってナイスタイミングだったもん。
かつ、このリフレッシュ感。
妻のほうを見ると、同じように目に当てている。
ホントに試したかっただけか?
娘にも同じことさせているよう。
ホントに試したかっただけか。
それでもいい。いいリフレッシュになった。かつ、勝手に俺のためにおしぼり出してくれたと思っておこう。
気持ちや考えが凝り固まってしまったとき、なかなかそこから抜け出せないことがある。そういう時は気持ちの切り替えが必要だ。
気持ちの切り替えには人によっていろんな方法があると思う。
・時間で区切って、休憩を入れる
・自然のある場所に行く、都会の雑踏を散歩する
・友達と話す、家族と話す
・本を読む、TVを見る
そして今回のように、ハッカのおしぼりでスッキリする。家族と話す。
家族や、親族、親友といわれる絆の強い人とたわいのない話をする。
ふと気を使ってもらう。
これってすごいリフレッシュ感ですね。
まるで、
「うわぁ、森の宝石箱や~」
違う違う、彦摩呂じゃない。